近所の猫が子供を産んだ。 愚痴のような、相談のような

そんな感じで、おばちゃんの話に勝手に感銘し、
自分の狭量さや傲慢さを反省すると、猛烈に「飼い主」に会いたくなった。

それまでは心のどこかで、まだ会ったも無い飼い主に、勝手に「無責任」のレッテルを張り軽蔑していた。
そういうのは取り繕っても態度に出るだろうし、言葉を選んでもその端々でうっかり相手を非難してしまうかもしれない。
会いに行ったとしても良い結論が出るとは思えなかった。

基本的に親猫の避妊自体には大賛成だし、俺が邪魔したせいで、それがどうなったかも気になる。
俺が「俺のできること」を果たす機会があれば、より良い結果を得られるかもしれない。
おばちゃんから聞いた、子供を産み過ぎて衰弱し続け、最後には大きいお腹を抱えて死んだ猫の話も、
強烈に背中を押した。

次の日、ホームセンターでカリカリの大袋（8㎏）を買い、
セメント袋を担ぐようにして、山裾の一戸建てである飼い主宅を訪問した。

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